今年に入ってから、長年テレビを通じてその声を聴き馴染んできたアニメ声優さんが相次いでこの世を去りました。
特に三月、「ちびまる子ちゃん」の声優を長年務めたTARAKOさんが六三歳で急逝されたことは世間に大きな衝撃を与えました。
五月には「ルパン三世」の峰不二子役などで有名だった増山江威子さんが八八歳で、六月には「あさりちゃん」や「じゃりン子チエ」のヒラメ役で有名だった三輪勝恵さんが八十歳で亡くなり、相次いだ訃報にアニメ好きな私の妻も嘆き悲しんでいる今日この頃です。
昔からずっと身近に居て、それが当たり前だと信じて疑わなかった存在が失われた時の悲しさや寂しさ。私たちのこれまでの人生においても、有名人だけでなく親類や仲の良かった友人が亡くなった時に何度も経験してきた感情ではないかと思います。
しかし、この世が諸行無常で人間が永遠に生きられない存在であるということは誰もがわかっていることだと思いますが、それをわかってはいても親しかった人が亡くなれば悲しみ、この世のはかなさを嘆いてしまう。
昭和の名曲「スーダラ節」の一節のようですが、この「(頭の中で)わかっちゃいるけど(つい嘆き悲しんでしまう)」という私たちの心に寄り添える真宗僧侶になっていけたらと考えています。
第十組 光明寺
山下 智誠