郡家別院では若手僧侶の集まりである「仏教青年会」のコラムをまとめた『仏青通信』を配布しています。ホームページ転載にあたり、一部加筆、修正を行っています。
「早く宿題やらないと今日中に終わらないよ!」
最近、自分の口からよく出る言葉です。
うちの子どもたちは小学5年生と3年生。宿題が嫌いで、ゲームや動画ばかり見ています。
親としては、小学校の宿題なんてさっとやれば30分くらいで終わるだろうと思っています。
そして「宿題をさっさとやってから遊べばいいのに」と考えるわけですが、子どもたちの立場で考えると、「やっと学校が終わって帰ってきたのに、すぐに宿題なんてできるか!」と考えているんでしょうね。

子どもの気持ちはよくわかります。自分も昔はそうだったからです。
学校から帰るとすぐにランドセルを玄関に投げて、友達の家に遊びに行っていました。さらに、私は忘れ物が多く、学校の机からくしゃくしゃになった期限切れのプリントが出てくることもしばしばありました。
だから、子どもを叱るときも、どの面下げて言っているんだろうと思いつつ、やっぱりここで言わなければ、何もしない子になってしまうかもしれないという想いで、怖い親を演じて叱っています。
阿弥陀仏の慈悲は、まるで親が子を優しく見守るような温かい眼差しに似ているそうです。ただ、今の私がそんなに温かい目で見ているかと言われるとそうではなく心配が常に先に立っているような気がします。失敗が大事だと分かっていても、その失敗をしないようについつい先回りしてしまいそうにもなります。
特にこれからの世界は何が成功で、何が失敗か分からない。
社会的な成功と、自身の幸福が同じだとも限りません。
仏さまは、私たち一人ひとりのことをそのまま受け入れ、見守ってくださっています。宿題をしないそのままを受け入れるのはやっぱり難しいけれど、少し力を抜いて子どもを見守るぐらいがちょうど良いのかもしれないですね。
第九組 善照寺
三原俊亮