自分の光

郡家別院では若手僧侶の集まりである「仏教青年会」のコラムをまとめた『仏青通信』を配布しています。ホームページ転載にあたり、一部加筆、修正を行っています。

自坊では毎年年末に除夜の鐘をついて、新年が明けると本堂でお勤めをして、新年の挨拶と合わせて少しお話をさせていただいております。

今年は「自分の色の光を輝かせながら日々の生活を大切にしてください」とお話しました。

『仏説阿弥陀経』というお経の中に「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」という言葉があります。

これは私たち一人ひとりが、それぞれの色をもち光輝いていることを語られています。

それは生きる喜びの姿であるとともに、他とも対立することのないものの姿でもあります。

私たちは、他と比べて勝れたものを持つことが、光輝いて生きることのできる条件だと考えます。

だからみな必死になって、他の人より勝れたものを手に入れようと苦労します。

そうなるとつねに他の人と比較し、自分の色の光を出せないように思います。

比べるのではなく、すべてのものは繋がり合って、ともに生かされているといただきながら生活させていくことが大切なことだと感じます。

ここで東井義雄先生の詩『自分は自分の主人公』の一部をご紹介します。

しっかり者からはしっかり者の光

まじめな人からはまじめな人の光

正直者からは正直者の光

やんちゃ者からはやんちゃ者しか持たないやんちゃ者の光

男からは男の光

女からは女の光

おじいちゃんからはおじいちゃんの光

おばあちゃんからはおばあちゃんの光

おとうさんからはおとうさんの光

おかあさんからはおかあさんの光

若者からは若者しかもたない若者の光

未来をつくる子どもからは夢と希望の子どもの光

ひとりの喜びはみんなでわけて大きい喜びにして喜びあい

ひとりの悲しみはみんなでわけて小さくして背負いあい

いばったりいばられたり

いじめたりいじめられたりする関係を追っぱらい

みんな仲良く ひとり残らず

存分に光を放ちあって生きられるような

光いっぱいの地区 光いっぱいの町をつくろうじゃないか(一部省略)

今年も自分の光を輝かせながら、お互い助け合い、報恩感謝のお念仏の生活をさせていただきます。 

南無阿弥陀仏

8北組善行寺
宮川浩文