こんにちは、郡家興正寺別院承仕の片岡妙晶です。
秋季彼岸会に向けて掲示板の言葉を新しいものに変更しました。お近くに立ち寄られた際はぜひ一目ご覧ください。
「移り変わるは 女心と秋の空 だけじゃない」
春口に訪れた新型コロナウイルス感染症も、「after コロナ」ならぬ「with コロナ」の到来です。
なくそうとする努力ではなく、有る上でどう生きるかを考える時代がやってきました。
疫病に代表されるような苦境は、良くも悪くも人間の本性が現れるきっかけになります。
感染した方を吊し上げたり、都市圏に住む人を差別したり、物資を買い占めたり、高値で転売したり…
過去の出来事でいえば「ノストラダムスの大予言」、「1999年の7月に人類は滅亡する」という噂が世界を席巻したことがありました。
その結果、世界の終焉を良いことに犯罪へ走る人が急増したのだそうです。
しかし、結論から言えば人類は滅亡しませんでした。
犯罪に走った方は己の人生を棒に振り、その被害者たちは人間の本性に触れ恐怖を刻み込まれたのでした。
その点、此度のコロナも同じことが言えるかもしれません。
今、世間ではコロナを口実に日々の鬱憤を誰かへぶつける人が急増しています。
しかし、私たちの世界はここでは終わりません。
コロナの脅威が過ぎ去った後も、私たちの日々は続いてゆくのです。
「コロナの所為」と私利私欲に塗れた言動ばかり重ねた私が、いざその大義名分を失ったなら…
最後に残るものは「汚名」しかないでしょう。
現状がいつまで続くか分からない。が、決して永遠ではない。
苦境に際し、人間の本性が現れる今だからこそ、他者に目を向け、慮る心を大切に生かせていただきましょう。
南無阿弥陀仏