真宗大谷派の僧侶であり、漫画家でもある光澤裕顕さんに、ほっこりさんをテーマに4コママンガを書いていただきました。
無碍光にてらされて
ここのところの夏も、異常気象というほどの暑さが続いています。
この異常気象というのは毎年言っているので、もうこの暑さが「異常」ではなく「正常」なのかもしれませんが、お日様にはもうちょっと勘弁していただきたいところです。
さて、そんな勘弁してもらいたいお日様の光は、人類が生まれる前から地球を照らしてきました。
そのためか、仏教では仏さまのはたらきを光によくたとえられています。
例えば正信偈の中にも、
普放無量無辺光 無碍無対光炎王
清浄歓喜智慧光 不断難思無称光
超日月光照塵刹 一切群生蒙光照
という一節があります。
阿弥陀仏は、あらゆる方向に十二種の光を放って、塵のようにちらばっている無数の世界を照らしておられますという意味になります。
この12の光の中に無碍光という光があるのですが、これは何者ものにもさえぎられる事がない光という意味です。
部屋の中でサングラスをして、日傘をしていても届きます。
真っ暗な洞窟にいても、カーテンで窓を全て塞いでも届きます。
もちろん、心が煩悩に覆われていても届く光です。
どのような障害があってもものともせず、私たちに届く光で照らしてくださっているのが阿弥陀仏のはたらきなんですね。
この夏の時期は太陽の光を厳しい日差しと感じますが、仏さまの光はお日様以上に私たちを優しく、時に厳しく照らしてくださっているのかもしれません。
合掌
承仕 三原俊亮