真宗大谷派の僧侶であり、漫画家でもある光澤裕顕さんに、ほっこりさんをテーマに4コママンガを書いていただきました。
三毒の煩悩
言っても仕方のないことを、くどくどと言い嘆くことを「愚痴をこぼす」といいます。
そして、よく愚痴をこぼす人を「愚痴っぽい人」などと言いますが、これはあまり良く思われませんね。
言っても仕方がないのに、ついつい口から不平不満が出てしまう。
それに本人は気付かなかったり、心の中に秘めておく事ができなくなるんですね。
愚痴という字は、それぞれに意味があります。
「愚」は本当の事を分かっていない。気が付かないという意味です。
「痴」は考えが足りない、思慮が足りないという意味です。痴の部首はやまいだれですが、まさに知性が病んでいるという事なのでしょう。
煩悩は百八あるといわれますが、その中でも特に強力なものを「三毒の煩悩」といい、愚痴もその中に入っています。
- 貪欲(とんよく)=むさぼり欲しがる心
- 瞋恚(しんに)=いかり腹立つ心
- 愚痴(ぐち)=心性が愚かで、一切の道理にくらいこと
真理を理解する能力のない愚かな心が愚痴なんです。
自分は悪くない、相手が悪いという心が愚痴を生みます。
この漫画で言うと、夏が悪いといったところでしょうか。
でも、夏が暑いのは当たり前。
自分の捉え方ひとつで、悪かったものが良いものに変わります。
ついつい愚痴が出てしまう自分に気付いていきたいものですね。
合掌
承仕 三原俊亮