郡家別院では若手僧侶の集まりである「仏教青年会」のコラムをまとめた『仏青通信』を配布しています。ホームページ転載にあたり、一部加筆、修正を行っています。
あなたは最近文章を書く機会がありましたか。
私はここ数年で、文章を書く機会が増えてきました。
最初は千文字を書くのも大変だったのですが、慣れてくると結構な文字数のコラムも書ける様になってくるもので、これには自分でも驚きました。
また、自分が書き手側に回ると、普段何気なく目にする文章にも細かいテクニックが散りばめられている事に気付きます。
今回はそんなテクニックの一つを紹介したいと思います。
まずは次の文章を読んでください。
いかがでしょう。
後者の方がより深く自分に問われているという気がしませんか。
この仏青通信のような不特定の方に向けた文章では、みんなが読むから「みなさん」の方がしっくり来そうですが、実は「あなた」と書いた方が読者には響くんですね。
自分へのメッセージだと感じるわけです。
さて、「みなさん」より「あなた」と呼ばれた方が自分事に感じるわけですが、この自分事として受け止めるのは、お聴聞していく上でとても大事な姿勢です。
弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、
ひとえに親鸞一人がためなりけり。
(『歎異抄』より)
親鸞聖人は、自身の罪業から目を背けなかった方です。
「このような私ですら救われているのですから、私以外のみんなが救われていることは言うまでもありません」という想いが、「親鸞一人がためなりけり」には込められています。
阿弥陀仏の願いは、十方衆生を救いたい、つまりみなさんを救いたいという願いですが、これを自分への願いと受け止めているでしょうか。
わたしが目当ての願いです。
わたしが願われているのです。
合掌
第9組
善照寺 三原俊亮
A:みなさんは、最近運動をしていますか
B:あなたは、最近運動をしていますか