【仏青通信】その時、お念仏が口から出なかった

8月のお盆を過ぎた頃、ついにコロナになってしまいました。

子供経由で発症し、5日間ほど寝込みました。自宅待機の期間が終わってからもしばらく不調で、ある程度動けるようになったものの、体調が元通りになるまでは結構な時間がかかりました。

私のコロナの症状は、よく言われていた喉の痛みはそれほどひどくはなかったです。

ですが、高熱と腹痛の症状が出ました。

私は体調が悪くても食欲が落ちないタイプなので、寝込んでいても食事を普通ぐらいの量を食べていたのですが、急に腹痛がやってきました。

脂汗がダラダラ出て、ちょっとしたパニックに。少し食べ過ぎた自覚はあったので、少し楽になるかと思い、トイレで吐いてみましたが、一向に楽にならない。

腹痛の間も意識ははっきりしていたのですが、考えることは「これはやばいかも」、「救急車を呼んだ方がいいのか?」など、これからどうなるのかばかりを考えていました。口から出てくる言葉も「あー!お腹痛いー!!」ばかり。この腹痛は本当に怖かった。

そして、その腹痛の最中は仏様のことを考えることもなく、全くお念仏が出てこなかった自分がショックでした。

普段は「お念仏が大事ですよ」と言っていますし、本堂やお仏壇の前でも手を合わせて南無阿弥陀仏と称えています。ですが、いざ自分が緊急時になるとそんな事は頭の片隅にも出てきませんでした。
私は僧侶の研修会などでお念仏の意味、阿弥陀仏のはたらきなど勉強する機会は多くありました。

ただ、やっぱり知っているというだけなので、口から出なかったんでしょうね。
これからもお聴聞を続けて、頭で理解するのではなく、ちゃんどハラに落ちるようになれよ、というための腹痛だったのかもしれません。

いつでもお念仏が出てくる、真に仏様にお任せできるようになりたいものですね。

第9組 善照寺 三原俊亮